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般若心経の空とはなにか

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(35)空の論理 その③ 才能、富、権力

モーツァルトの音楽的才能は、モーツァルト個人特有の才能で実在するのだ
ろうか?。世界一の富豪と言われるロスチャイルド家の当主は何度生まれ変わ
っても富豪なのだろうか?。世界最高の権力者といわれるアメリカ大統領にな
る人は、過去世においても、また来世においても最高の権力者として転生を続
けるのだろうか?。

 お釈迦さまの教えによれば、長い輪廻転生の中で「蓄積されてきた行いと思
考によって構成された条件」(魂)によって才能、富、権力などは生成消滅する
ものだから、いずれもその実在は否定される。貧しい人が未来永劫貧しく、不
幸を背負った人が未来永劫不幸であり続けるということはあり得ないのと同様、
何度生まれ変わっても未来永劫、すばらしい才能、ありふれるよな富、強大な
権力を持って転生を続けることもあり得ないのです。

 才能、富、権力は幸福と成功の象徴、人生の豊かさの源泉の如くにみられる
が、果たしてそうだろうか?。私は職業会計人(公認会計士)だから次のよう
に比喩してしまう。

バランスシート(貸借対照表)は資産と負債及び資本との対照表です。
 左に資産、右に資産の源泉である負債及び資本を対照表示する表です。
     資産=負債+資本
  例えば資産100億円、負債60億円、資本40億円の場合、自己資本比率40%
(40億/100億円)と計算する。資産100億円の内、正味財産は40%、40億
円という意味です。

 私はこの等式を次のように置き換えてみています。
    才能(または富、または権力)=不徳+徳
    才能100=不徳60+徳40

 才能の高さは、源泉の不徳、徳に依存する。源泉の不徳または徳が大きけれ
ば大きい程、才能は高まる。この関係は音楽的才能ではなく、例えば犯罪的才
能に置きかえて考えれば良く分かります。犯罪的才能は徳によって生ずる訳は
ないので、不徳100、正味財産0です。不徳を源泉とする才能の大きい人は、
その不徳のゆえ、大勢の人々を不幸にしてしまうための才能を発揮して満足し、
さらに、大きな不徳の原因をつくることになります。それがどのような結果に
連なるかを私たちは知ることができない。深い瞑想の中で自らの魂の輪廻の実
相をつぶさにみられたお釈迦さまのみが知り得ることです。

お釈迦さまはその実相にふれることなく、縁起の法と縁起の法にもとづく生き方を
説かれました。だから、才能、富、権力に恵まれた人は、その恵の度合いが大き
ければ大きいほど、それを生んだ源泉が不徳、徳のいずれなのか、正味財産の割合
について、よくよく考えるべきなのです。「才能100=不徳100」の人は正味財産0です。
そんな人より「才能1=徳1」の人の方が正味財産1だから豊かです。

 もともと才能なく富にも権力にも縁遠く、正味財産が0の人であっても、不
徳を積むことなく真摯に生きると、その姿勢そのものが実は、積徳の行いとな
り、正味財産が増えるだけです。つつましく真摯に生きる人の姿には、お釈迦
さまの教えに対する諦観を感じて、何か心打たれるものがあります。

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