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般若心経の空とはなにか

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魂、一切の記憶の歴史 その2

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魂、一切の記憶の歴史 その2

 私は前回、人が生きていく上で五感、六感で受容する一切の記憶の歴史は、影のように非物質的に存在しており、それが魂でないかと述べました。
 お釈迦さまの教えによれば、今生の魂は過去生の因果として誕生したのであり、今生の魂は来生に引継れ応報されていく。仏教の教えとしてはそうなのですが、お釈迦さまは、輪廻を語りながら、輪廻の本体としての魂についてはほとんど説話として残されていない。輪廻の様相や魂について話される事は非常に少ないと云われる。その理由は、その真相を知ったとしても修行に全く役立たないからだと云われる。役立たないだけでなく、むしろ修行に有害だと説かれていたのです。人間は真相を知る事により救われる事はあるが、むしろ知る事により一層深い迷いの世界に入り込む事を知る故に、お釈迦さまは沈黙されたのです。

 その一端は、現代の神秘学の中に見られます。神秘学にはアカ(Aka)という言葉があります。アカとはカフナという魔法の体系の概念で、影のような肉体あるいは精神力をいいますから、それは神秘学における魂と考えていいでしょう。ウンヒビリ(潜在意識の本質的な力)、ウハネ(意識の本質的な力)という魂の持つ力の概念とともに、魔術的世界にかかわるものです。
 カフナとは元々、ポリネシア諸島の原住民の魔術師とその現代の後継者に与えられた呼称で、彼等の体系からヨーロッパの神秘学に導入されたのが、アカ、ウンヒビリ、ウハネです。これらは黒魔術の世界の魂で、人の成功と失敗、再生と死などに導く方法の道具にされるものです。人の強欲、強い執着心、怨み、復讐心、怒りなどをことさら強調し、結局は人を破滅に導くもので、宗教の世界とは全く異なります。こうした黒魔術的世界はお釈迦さまの時代から今日に到るも、広く存在しており、魂の存在の構造を詳しく語る事は、そうした悪魔的世界を増長させる事でしょう。

 しかし、です。だからと云って人の記憶の歴史としての魂の存在は否定してはいけないと私は思うのです。

 本題の話の前おきが少々長くなりました。前回のその1、今回のその2で私が云いたかったのは次の事です。イタリアにおける脳卒中患者のリハビリテーションは丁度、姿形が見えない非物質的な、その人の全履歴を記憶する影のような存在、魂に語りかけて、そのバック・アップされた記憶を逆に本体である体と意識あるいは心に転写して再生させる行為のように思うのです。そのように考えると、前回のその1、冒頭に述べた、イタリアにおけるリハビリテーション方法の意味が良く分かるような気がします。

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