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般若心経の空とはなにか

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贈呈して頂いた著書について

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贈呈して頂いた著書について

 先月、那覇市で公認会計士、税理士として仕事をされている安里清榮さんという方から著書を頂きました。三才の時、激戦のあったサイパン島に近いテニアン島で空襲に遭って、ご両親と弟さんを失った方です。
 題名は「清ちゃんあきらめるの」(新風舎)で、著者の戦後における苦難の自伝です。ページ数は110ページと短いのですが、節目、節目の出来事を簡潔にまとめられていました。昨年の9月、日本経済新聞に掲載された私の般若心経の記事に、同業の公認会計士として関心を持っていたことから今回、贈呈されたようです。

 一読して私は大変、感銘を受けました。地上戦闘の只中に残された沖縄の人々の苦難は良く知られております。その中から祖父母をはじめご親せきの人々に守られながらも、くじけず、公認会計士として大成し活躍されているというだけでありません。私が特に感銘を受けたのは、戦争が原因でさんざんご苦労されながらも、誰をも恨む事なく、怒りを向ける事なく、ご自分のおかれた境遇の中で最善を尽くしてこられた精神の気高さにです。

 戦争は悲惨で醜いものです。戦争反対を叫び、平和を希求しない市井の人はいないでしょう。戦争は一人の政治家や軍人の決断で勃発するものではないでしょう。その時代の複雑で大きな流れの中で翻弄され決断されていくもので、その意味ではその時代時代の病気、システムの欠陥の露呈みたいなものです。

 私達の不幸は戦争だけではありません。最近、少なくなったとはいえ交通事故で今でも毎年7千人もの人が亡くなります。その数は自動車が普及して以来、累計で数十万人にもなるでしょう。その何十倍もの人が後遺症で苦しみます。そしてその何倍もの交通加害者と被害者の家族、兄弟が直接間接の苦難を背負う事になります。
 交通事故だけではありません。さまざまの犯罪で罪のない人が殺され、傷害を受け、又財産損失で苦しみます。云われのないいじめや失職、誹謗中傷で苦しみます。さらに地震、台風など自然の災害でも苦しみます。こうした事もせんじつめるとこの時代と、そのシステムが原因の源泉と云えるでしょう。

 私は戦争、あるいは反戦映画と云えるもので最も心うたれたのは「ほたるの墓」です。原作者の野坂氏は何時も黒メガネで少しうさんくささを感じてましたが、この点で尊敬の念を禁じ得ません。戦争はまき込まれた民間の人々だけでなく、軍人にとっても悲劇なのです。
 そうした中で気高く生きてこられた安里さんには、こうした事を改めて再認識させられました。

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