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般若心経の空とはなにか

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プロセスと結果 追補

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プロセスと結果 追補

 「プロセスと結果」について6回にわたって書きました。プロセスと結果は人間の行動や言葉、つまり政治や哲学思想や宗教、そして科学技術や経済経営など全てに共通する道筋みたいなものです。プロセスは結果を生み、結果は次のプロセスの原因、あるいは道筋になるって云う事で、限り無く続くのであり、それは空の論理そのものです。私はこの事を自分の仕事の中で教えられ鍛えられた、というのが趣旨でした。

 前回(その6)ちょっと云いもらして追補したいことがあります。本旨と全く関係ないようですが、やはりあります。アメリカを震源とする金融危機です。

 現代の金融危機はどのような結末をむかえるのでしょうか?。私は次のように思います。
 今回の危機の始まりはサブプライムローンという信用度が低い証券の評価減です。
 サブプライムローンは低所得者向けの住宅ローンで、金利が高く元金返済を特別工夫したローンです。例えば最初は金利を低く数年後に高くする、元金返済を最初は0か少なく、数年後に多くする、というものです。何故、そんな条件のローンが可能かというと住宅価格がどんどん上昇する確率が非常に高いので、購入者が所得で返済出来なくなれば、その時点で住宅を売却するとローン全額を返済してなお売却利益が見込めると想定されていたのです。

 アメリカの銀行は、こうしたローンを証券化して(前回の例で1件5千万円、100件、計50億とした証券を1口百万円、計5千枚に細分)、投資有価証券として販売します。利回りが良いので例えば55億で証券市場で販売し、5億の利益とともに、住宅ローンとして貸付したお金50億を即時に回収して、さらに次の運用にまわせます。
 こうした消費者向けローンは住宅だけでなく、自動車、電機製品など多数あり、そのローンの残高は全米ではアメリカのGDP(千数百兆円)を超えると云われます。

 サブプライムローンの融資条件が甘くなり、住宅バブルが頂天に達したところで破裂、貸倒れが続出したため、サブプライムローンの証券そのものが価格下落しはじめました。ところがそれにつられて通常の住宅ローンであるプライムローンや自動車ローン、家電ローンなどにも波及し、そうしたローンを証券化した有価証券を保有する世界中の会社、団体(年金基金など)が膨大な「評価損失」を被ったのです。現在の有価証券の会計のルールは「時価主義」通用が原則ですから、購入価格と期末時価との差額を評価損として公開しなければなりません。
 後にふれるように「現実に確定した損失」と「評価損失」は会計上同一でも、異なるものがあります。

 (1)こうして、全世界の会社、団体は膨大な損失を被りました。
 (2)銀行は新規ローン貸出しの余裕を失い、消費者ローンの実行額が大幅に減少しました。
 (3)そのため住宅、自動車、電機製品など売れなくなり、世界中で景気後退して失業者が急増している。

 以上の結末はどうなるのでしょうか。
 今、株式も社債も大幅値下りしてます。サブプライムローンだけでなく全ての証券化されたローン証券が値下りしてます。株式や社債はそれを発行する会社の業績が公開されているので投資家は判断できます。証券化されたローンはサブプライムローンを除いて「評価減」にあるものの、償還されるまで待っていれば、多分100%元金も利息も回収出来るものです。
 問題はサブプライムローンですが、これは建築代金以上のお金が貸出されている訳でありません。又、サブプライムローン全てが回収不能というものでもありません。
 今、アメリカ政府はサブプライムローン救済に多額の財政支出をしようとしております。これは、サブプライムローンの不良部分を出来るだけ救済し、サブプライムローン証券の評価減を少なくし、全ローン証券評価を適正価格に戻し、金融機関の機能を健全化させ、ローン実施を正常化して景気回復させようとするものでしょう。

 こうした転換期に活動を始める人々がいます。その人々は世界的に真に財政力、政治力を発揮出来る人々です。その人々はその力と情報力で下落した有価証券の底値で買い集めます。その場合紙切れになる可能性のある株式や社債を買いません。価格下落率の低い正常ローン証券も買いません。サブプライムローンの証券を買います。額面の5%とか10%という低価格です。こうした信用の低い証券が買われて市場からなくなると、他の証券は値上がりし、会社、団体の評価損失は消滅します。そうなるとサブプライムローンも実質回収価格に等しい価格、例えば額面の30%とか40%(住宅という現物があるので株式や社債と違って0になることはありません)まで回復するでしょう。そうすると額面の5%、または10%で購入したものを30%または40%で売却することになります。その差、額面30%または40%と、5%または10%との差、25%または30%の売却利益を得ることになります。そうしたサブプライムローン証券の額面残高は数百兆円とも云われますので、こうした人々は、そこで数十兆円、あるいは百兆円を超える利益を手にするでしょう。

 こうした行為と結果としての利益は大変、不道徳で不当のように見えます。しかし、これはそうした人々のその時代の仕組みの中での役割なのです。今の世の仕組みが人々に希まれて存在するものである限り、そうした人々がいないと現代の仕組みそのものが正常に機能せず、崩壊するでしょう。
 そのかわり、そうした人々は普通の人々には想像を絶した高度の道義性が要求されます。それを発揮するかどうかは、その人の心、のみにかかります。
 これに耐えられる広大で、高く、深い心の持主であるか否かは他の誰も知ることは出来ません。それを知るのは本人と、お釈迦さまのみです。

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