前回「プロセスと結果 その1」で大阪府の橋下徹知事のことを「橋本」知事と誤記してました。訂正します。
さて、今回は私の仕事にかかわる財務分析の手順を説明する事により、物事の考え方としてのプロセスと結果についてお話します。
<財務分析と財務諸表>
財務分析の対象となるのが財務諸表です。そこで財務分析はどのような手順(プロセス)で何を目的に(結果)行われるか説明します。
このためには、次の手順が必要です。
財務諸表とは何か
財務諸表の信頼性検証
財務諸表の分析
財務諸表とは次の財務に関する財務表をいいます。
貸借対照表
損益計算書
キャッシュフロー計算表
キャッシュフロー計算表は貸借対照表の現金預金の増減の要因と残高を示すもので、貸借対照表と損益計算書の信頼性を裏づける役割があります。ここでは貸借対照表と損益計算書を対象とします。
<貸借対照表>
貸借対照表は資産と負債及び資本との対照表で次のような構造になっています。(なお、数字は私が任意に入れたものです)
対照表の形にするとわかりやすいのですが、ブログでは入力できないので等式で表示します。
資産100=負債60+資本40
貸借対照表はこの場合平成20年3月31日時点の資産と負債及び資本の対照表です。資産は簡単に財産と、負債は借金、資本は財産と借金の差額正味財産と考えていいです。
企業会計では資産が1年以内に現金預金になるか、負債を1年以内に現金預金で支払われるかを基準に流動、固定に区分します。また資本は出資したお金を資本金、儲かった利益の利益剰余金と区分します。
流動資産65+固定資産35=100
流動負債40+固定負債20=60
資本金10+利益剰余金30=40
さらに資本の内の利益剰余金は創業以内蓄積した額の累計と当期に計上した額があります。この対照表では利益剰余金が30となってますが、この内5をこの会計期間、つまり「平成19年4月1日から平成20年3月31日まで」の計上利益とします。
この5が当期の資本、つまり正味財産の増加額になる訳ですが、この増加の要因を示す表が損益計算書です。
仮に売上高200,経費及び税金が195とすれば当期利益5になるという事です。
損益計算書の説明の前に、貸借対照表の勘定科目について説明します。
流動資産というと、現金預金、売掛金、棚卸資産、未収入金等が主なものです。貸借対照表は資金の循環過程「現金預金→現金預金」を示すものです。
○売掛金→現金預金として回収
○棚卸資産→生産へ投入して製品へ→製品を売却して売掛金→現金預金として回収
売掛金は主たる業務たる売上に伴う債権で、未収入金は売上以外を原因とする債権です。
現金預金、売掛金、棚卸資産という表示の順番は基本的には、現金預金として回収され期間の長短によりつけられます。
以下、固定資産、負債について説明していると長くなるので、貸借対照表の説明はこれで終わります。
次回、損益計算書と貸借対照表の関係について説明します。
物事の考え方のプロセスと結果についてお話するつもりが、私の専門分野に入ってしまったため少々、長々となりました。最近行政の会計である公会計が全国的に話題となり、こうした企業会計の考え方を全面的に取り入れられておりますので、少々、知っておいた方が良いかもとも思います。