縁起の法とは最も簡潔に表現すると「実在の否定」です。
まずお釈迦さまの時代の主流であったバラモン思想が主張する「永久不滅の
我、アートマン」を否定した。
そしてこの世の一切、人の存在そのもの、人が社会的関係で生ずる豊や貧困、
喜怒哀楽、名誉、権力、出自そして人のまわりの自然、宇宙天体の全ての実在性
を否定した。すべては「縁って」生成消滅を繰り返すだけで、実体がないという
ことです。
人はその理法に無知だから次の転生の原因と条件を集めて苦の輪廻を繰り返
すとお釈迦さまは説かれたのです。
「縁起の法」は後に次のように表現された。
比れあるとき 比れあり
比れ起こるから 比れ起こり
比れないとき 比れなく
比れ滅すれば 比れ滅す
これは比縁性と云われ、四支(四の条件)で表現されてますが、後に六支、九
支、十支の数で説かれたものもあったようです。いずれの表現にせよ、物事は他
に依存して生成消滅を繰り返すだけで、固有の性質が変わらない実体としてもつ
ものは存在しないとする理法なのです。
この縁起の法を人間の無常なる五蘊を説明するために構築されたのが十二支
縁起です。十二支縁起は、現実の人生の苦悩の根元を追求し、その根元を断つこ
とによって苦悩を滅するための十二の条件を時間的な縁起と因果の関係で系列
化したもので、縁起の法の一つの展開です。
内容はHPを参照して下さい。
このように、お釈迦さまの悟りと教えは、お釈迦さま入滅後、さまざまの形の
い転開され後世に伝えられて行きます。